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「妻に全て相続させる遺言書」を離婚後に放置したら、相続はどうなるか

夫と離婚します。
子供はいません。
夫は婚姻中に、「一切の財産を妻●●にすべて相続させる」内容の公正証書遺言を作りました。
夫には両親と妹が一人おりますが、とりあえず、離婚後もしばらくの間は、遺言書はこのままにしておくそうです。
離婚後、公正証書遺言を取り消す旨の公正証書を作成しないで、又、新たな内容の遺言も作成しない状態で放置した場合、夫が死亡したら相続はどのようになるのでしょうか?
公正証書遺言には「妻●●」となっているが、妻ではなくなるので無効ですか?
すでに他人なのに、「相続させる」というのは、「遺贈」に直さなくても、このままで有効なのでしょうか?
宜しくお願い致します。

  • 司法書士 原真由美事務所
    原 真由美

    そのままでも「遺贈」として有効です。

    たしかに離婚後は「妻」ではなくなるので相続ではないですが、遺言自体が全体として無効となるのではなく「相続」ではなく「遺贈」として財産の承継はできると思います。ただ、税金面で贈与として扱われたり、ご主人が再婚なさったりした場合に後妻の方などからの遺留分減殺請求で多少承継できる財産が減る可能性はあると思いますが。

  • 司法書士行政書士 児玉事務所
    児玉 卓郎

    回答

    離婚してしまえばyすまではありませんから公正証書の遺言の効力はありません。もっとも特定人ととれる内容ならその人に対する遺贈とも読めないわけでもありませんが一般的には妻とかかっれていれば離婚により効力はなくなります。

  • 金沢駅西法律事務所
    荒木 実

    「妻に全て相続させる」旨の遺言のままでも有効と思われます。もっとも,新しい遺言を書かれてしまう可能性は高いでしょう。

    遺言には,遺言有効解釈の原則というものがあり,遺言者の意思を尊重して,記載内容を合理的に判断して,遺言をなるべく有効となるように解釈するという原則があります。
    最高裁も
    「遺言の解釈に当たっては、遺言書に表明されている遺言者の意思を尊重して合理的にその趣旨を解釈すべきであるが、可能な限りこれを有効となるように解釈することが右意思に沿うゆえんであり、そのためには、遺言書の文言を前提にしながらも、遺言者が遺言書作成に至った経緯及びその置かれた状況等を考慮することも許されるものというべきである」(最判平成5・1・19),
    「遺言の解釈にあたっては、遺言書の文言を形式的に判断するだけではなく、遺言者の真意を探求すべきであり・・・・遺言書の全記載との関連、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して遺言者の真意を探求し当該条項の趣旨を確定すべき」である(最判昭和58・3・18)
    などと述べています。
    本件では,奥様に全て相続させるという記載内容ですから,遺言作成時の状況に鑑みれば,当時の奥様に全ての財産を渡したいというのが遺言者の意思です。したがって,形式的に「相続」とはならないとしても,遺贈という形式で奥様に財産が渡ることは遺言者の意思に合致するものであって,遺言は有効になる者と思われます。
    もっとも,遺言は新しいものが有効となり,離婚後,旦那様が異なる内容の遺言を書いてしまう可能性は高いものと思われます。

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