20年以上前に亡くなっている父の債権の相続放棄
会社経営している叔父から突然電話があり、22年前に亡くなった私の父が叔父の会社の取締役となっている、会社に不正があり債権関係の連絡がそちら(私の)方へいくかもしれない、その時は相続放棄の手続きをしてほしいと言われました。
しかし、亡くなった22年前に終わっているし、終わったものを再度放棄できるのか?仮に債権があったとしても時効ではないのかと聞くと、亡くなった父を今も生きていることにし取締役として名前を使っていたようです。
こういった場合、私はどうすればよいのでしょうか?
数日前に母も亡くなり、母が必死で働き残してくれた僅かな蓄えもそのせいで放棄しなければいけなくなるのでしょうか?
いきなりずいぶん前に亡くなっている父の相続放棄しろと言われ、怖くてとても不安です。
どうぞよろしくお願い致します。
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- リアルバリュー法律事務所
梅村 正和
取締役の地位は相続しません
会社の取締役が亡くなった場合に、
その取締役だった人の相続人が、その会社の取締役になることはありません。
これは当たり前のことです。
そして、この世の中に存在しない人が債務を負うことはありません。
取締役が死亡した場合、自動的に退任となります。
会社の登記がそのままであっても、死んだ人が生きていることになるわけがありません。
会社経営している叔父の言うことは法的におかしいと言えるでしょう。 - リアルバリュー法律事務所
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- 司法書士行政書士 児玉事務所
児玉 卓郎
回答
時効の主張をすればよいと思います。死者の名義を勝手に使っていれば登記上は可能ですが、会社経営している叔父の重大な違法行為であり、それは強い態度で臨んだ方がよいでしょう。
- 司法書士行政書士 児玉事務所
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- ひだまり法律事務所
芝 憲司
20年以上前に亡くなった方の「相続放棄」はできません。
では、ご相談者がお父さま名義の借金を負担しなければならないのか、という点については事情を詳細にお聞きしなければ何とも申し上げられません。事情が分かる資料をお持ちになって弁護士にご相談下さい。
- ひだまり法律事務所
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- 司法書士 原真由美事務所
原 真由美
相続放棄はできませんし、する必要もないです。
取締役は死亡した時点で、当然に退任しているので、たとえ商業登記簿上、登記が残っていても(つまり、今も生きていることにして取締役として名前を使っていても)、法律上の義務は生じません。よって、ご相談者には、相続債務は発生していません。あとは、退任登記義務を怠った叔父さんが、登記懈怠として行政法上の過料を課されたり、他人の名義を使って取引をしていたとなれば私文書偽造罪、同行使罪、や詐欺罪の刑法上の罪に問われることもあるのでしょうが、いずれにしてもご相談者には関係ないことです。
- 司法書士 原真由美事務所
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- 士道法律事務所
飯島 充士
基本的に何も問題はありません
まず、相続放棄ができるのは相続開始を知ったときから3ヶ月以内なので、今更放棄は不可能です。
次に、会社内部で何をやっていたのか詳細が不明ですが、父が生前役員を務めていたときに役員としての法的責任(会社法423条等)を負う行為をしていたのでない限り、その損害賠償責任をあなたが相続することはありません。仮に役員として責任を負う者がいるとするなら、それは叔父その他の取締役である可能性が大です。
最後に、万一あなたの父が役員として損害賠償債務を負っていたとしても、それがあなたに相続されて22年も経っているのですから、消滅時効を援用すれば足ります。 - 士道法律事務所