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遺言執行者の選任申立て

遺言書が存在しますが遺言執行者の指定が無いため、相続人3人で遺産分割協議を行いましたが話がまとまらないため、相続人の一人であります私が遺言執行者の選任を裁判所に申し立てたいと思っています。
質問ですが、不動産は1人だけに相続する旨記載がされていますので、残りの動産についてのみ遺言執行を申立てすることは可能でしょうか。
また、遺言執行者として法律にお詳しい弁護士や司法書士の先生を指定することが最良なのかとも思いますが、報酬面でお願いしやすい行政書士や公認会計士の先生なども検討しています。
アドバイスいただければ幸いです。

  • 司法書士行政書士 児玉事務所
    児玉 卓郎

    回答

    遺言執行者は相続財産を執行するものですから、遺言書により相続財産の帰属は決まっていても遺言執行者がそれらをすくめて相続財産を執行することになります。遺言執行者専門家でなければならないとの決まりはありませんが、秘密を守るためには守秘義務のある専門家に頼んだ方がよいでしょう。

  • やまと法律会計事務所
    大和 弘幸

    遺言執行者の職務権限は,遺言の内容によって異なります。

     ご質問では,「不動産は1人だけに相続する旨が記載されています」とのことですが,これは,特定の不動産を特定の相続人に相続させると遺言書に記載されているということでしょうか? 仮にそうとすれば,その相続人は,相続開始と同時に遺産分割手続を経ることなく当該不動産の所有権を取得することになるので,遺言執行者としてやるべき仕事はないことになります。
     従って,当該不動産の管理や相続人への引渡しについて遺言執行者の職務とする旨の記載が遺言書にあるなどの例外的な場合を除いて,遺言執行者は当該不動産について権限も義務もないことになり,遺言執行者が選任されても,当該不動産以外の相続財産についてのみ,遺言執行者は職務権限を有するにすぎないことになります。

  • 士道法律事務所
    飯島 充士

    遺言執行者が執行権限を有するのは遺言に記載された部分(本件では不動産)のみです

    遺言執行者は「遺言を執行する者」ですから、遺産の一部についてのみ遺言が残されているのであれば、その部分についてしか執行できません。
    つまり、遺言書が不動産の相続についてのみ指定しているなら、遺言執行者が取り扱うことができるのはその不動産の相続だけで、遺言のない他の動産等については執行権限がないことになります。
    そうすると、本件で遺言執行者の選任申立をしても意味がないこととなりそうですので、遺産分割調停を検討した方がよろしいかと思います。

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