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相続全般 > 生前贈与

相続資産を法定分割する際に生前贈与分は差し引かれるか?

3兄弟の中で、現在私が相続資産管理をしていますが、維持管理費のすべてを立て替え払いしています。
調停の準備書面には、3兄弟中、他2名は生前贈与金をもらい、その額は準備書面に記載されています。
将来(10年未満)相続資産を売却し、法定分割する際、他2名から、生前贈与分ならびに立て替え分を分割金から差し引くことはできますか?
法的に私には、それらを請求する権利があるのか否か、教えてください。
よろしくお願いします。

  • 司法書士行政書士 児玉事務所
    児玉 卓郎

    回答

    生前贈与を特別に受けた場合は、受けた分については特別受益として差し引かれます。立て替え分も必要経費として請求できます。

  • ひだまり法律事務所
    芝 憲司

     事実関係が不明瞭な点が多少ありますので、一般論として回答します。
     生前に贈与があれば、それも含めて相続財産を考えます。そして、それを相続分で分割し、生前贈与の分は既に受け取っているとして配分するのです。したがって、贈与金の額について相続資産から差し引かれるという事はありません。相続資産を1000万円として、2名のご兄弟が各100万円ずつ生前贈与を受けているとすれば、それぞれの相続分は(1000万円+100万円+100万円)÷3=400万円となり、生前贈与を受けている方は400万円-100万円=300万円を受け取ることになります。
     管理費用は、相続財産から支出されることになるので、支払った分の支払いを受けることができます。

  • 梶光夫司法書士事務所
    梶 光夫

    生前贈与は特別受益にあたるとして、贈与の価額を差し引いた残額を他の兄弟の相続分とします。相続財産の維持管理費用は、不動産の固定資産税などは相続人が平等に負担すべきです。

    共同相続人の中に、被相続人から特別の利益を受けていた者がいる場合に、これを単純に法定相続分どおりに分けると不公平が生じます。これを是正しようとするのが、特別受益の制度です。是正の方法は、その贈与の価額を相続財産の加算します。これを特別受益の持ち戻しといい、その加算した額を基礎として各人の具体的相続分を計算します。特別受益者となるのは、①遺贈②婚姻・養子縁組のための贈与③生計の資本としての贈与、を受けた者です。ですから、その生前贈与を受けていたものが、被相続人の資産・収入、社会的地位、その当時の社会的通念を考慮して個別に判断すべきのものとされています。例としては、①婚姻の際、持参金をもらった。②家を建ててもらったり、住宅取得資金を出してもらった。③私立の医科大学への多額の入学金を出してもらった。などが当たります。相続財産の管理費用は相続開始時に生じたもので、遺産とは別個のものであるから、遺産分割の対象とはならないとの考えと、相続に関する費用(民法885条)に当たるので、遺産分割に際し遺産から清算されるべきであるという考えに分かれています。

  • 士道法律事務所
    飯島 充士

    通常は遺産の管理費用は遺産から支弁し、生前贈与は相続分の考慮要素となります

    基本的に相続は相続人の合意で決めればよいので、現在調停を行っているなら維持管理費の立替払いと生前贈与を考慮した分割案を主張すればよろしいかと思います。
    その主張が筋の通ったものであれば、調停委員もそれを他の相続人に推してくれるでしょうし、仮に調停が不調となって裁判に移行した場合も裁判所の賛同を得られるでしょう。
    通常は、遺産の管理にかかる費用は遺産から支弁しますし(民法885条1項)、生前贈与は特別受益として相続分の算定に考慮され得ます(民法903条)。

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