母の遺産を全部使い果たした長男に納得できません。
父は55年前に他界し、長女は16年前に他界(独身)しています。
長男(母と同居)と姉と妹で3人姉弟です。
今年の9月に母が亡くなりました。
長女が亡くなった時、母に生命保険が数千万円入りました。
その時、姉妹2人に、100万円色々世話になったので、受け取ってと言われたので貰いました。
母は6年前に病気を患ったため入院し、その後、老人施設に入り、9月に亡くなりました。
納骨式後、母の遺産分けについて話した所、長男は全部使ったので無いと言ってます。
なぜと聞くと、5年前に2500万円を家の建て替えで使用したので母の金は無し、と言う事でした。
姉の保険金がいくら入ったか聞いても、忘れたと言って教えてくれません。
長男は、長女が亡くなったときに100万円あげたので、それで終わりだよ!と言ってます。
姉妹2人は母の遺産を貰うこと出来ないのでしょうか?
よろしくお願いします。
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- ひだまり法律事務所
芝 憲司
ご質問の趣旨は、長女の保険金が残っているはずなのに、その配分を受けられないのはおかしい、ということでしょうか?
ご姉妹は、亡くなられたお母様の相続人となるのは間違いなく、遺産があれば相続することができます。長男がお母さまの財産管理を任されていたのであれば、相続税を払うかの判断のためどういう状況かの確認をしたいので、一覧を作ってほしい、等話してみるのが良いと思います。お話の状況であれば不動産をお持ちのようなので、相続税が発生する可能性があります。
なお、お母さまに他の収入があるかどうか分かりませんが、16年前の保険金であれば、日々の生活費や老人施設の費用等に使われている可能性も否定でき無いと思います。
- ひだまり法律事務所
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- 司法書士行政書士 児玉事務所
児玉 卓郎
回答
家が母名義であれば母の財産出費ということになりますし、長男名義であれば特別受益の問題があります。なお生前の100万も円もらったことですが、長女の世話をしたことに対しての対価であれば特別受益の問題は生じないと思います。いずれにせよ分割協議で話がまとまらない場合は家裁の調停手続きをとることになりますが、長男の方も母を世話したことに対しての寄与分の主張もすることになると思います。いずれにせよ3分の1ずつの相続権はありますが、長男の方は寄与分を主張すると思いますのでそこをどう考えるかだと思います。
- 司法書士行政書士 児玉事務所
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- 士道法律事務所
飯島 充士
まずは遺産の有無をある程度調査することが必要です
保険金の額については、その保険金を支払った保険会社に問い合わせるか、通帳または銀行の取引履歴を見れば判明するかと思います。
遺産がないと言われたようですが、2500万円で建て替えたという家は遺産ではないのでしょうか。
まず、遺産があるのかないのか、あるならどの程度の価値のどういうものがあるのかがわからなければ手の打ちようがありません。
長男が協力的でないということであれば、「遺産に関する紛争調整調停」という手続が考えられますが、その場合でも、どこにどういう遺産が存在する可能性があって、そのどの部分が争いとなっているのか、という程度のことは最低限特定しておかねばなりません。
まずは、母のお金が入っていた預金口座と不動産関係を調べるべきかと思います。 - 士道法律事務所
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- やまと法律会計事務所
大和 弘幸
相続人全員できちんと遺産分割協議をするべきでしょう。
4人兄弟姉妹で,長女はすでに他界し,お母様の遺産についての相続人は姉,長男,妹の3人という理解でよろしいですよね。その場合,姉,長男,妹の3人が相続人となり,法定相続分はそれぞれ3分の1ずつとなります。
長男は,母の遺産はない,といっているけれども,それが納得できないということであれば,相続人である姉,長男,妹全員できちんと話し合って,お母様の遺産の内容について開示を求め遺産分割協議を行うべきでしょう。5年前にお母様が2500万円で家を建てたというのであれば,その建物はお母様名義であると推測されます。そうであればその建物は,お母様の遺産を構成することになり,遺産分割の対象となります。
仮に,長男が遺産に係る資料を開示しないなど,当事者間での協議が整わない場合には,問題の解決に向け,家庭裁判所に調停を申し立てることなどの方法が考えられます。 - やまと法律会計事務所